海外留学や海外医療機関で働くつもりがあるのならば、「Occupational English Test(OET)」についても英語資格の候補として考えてはいかがでしょうか?
とくに、オーストラリア、ニュージーランドやシンガポールへの留学や勤務を考慮しているのであれば、OET受験は有用です。
TOEFLやIELTSと比較するとマイナーな英語のテストですが、海外においては広く認知されています。
この記事では、Occupational English Test(OET)についての解説をしていきたいと思います。
OETとは
OET(Occupational English Test)とは?
医療者限定の英語能力試験
「OET ; Occupational English Test」は医療職者限定(12職種 : 医者、看護師、歯科、薬剤師、理学療法士、作業療法士、栄養士、獣医、検眼士、足専門医、医療言語聴覚士、放射線技師)のための英語能力試験です。
TOEICやIELTSに比べると普及はまだまだしていないテストですが、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなどで広く認知されているテストです。
医療職として海外で勉強したいもしくは働きたい方は、英語の能力証明として「TOEFL」、「IELTS」もしくは「OET」の選択肢があり、大学側が指定するスコアを満たす必要があります。
OETはその1つになります。
OETの内容
テストの内容は、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4つの技能を試験するのはIELTSと変わりませんが、1番の違いはトピックが医療だけということです。
OETの内容をセクションごとにみていきます。
リスニング
リスニングは50分、2つのパートに分かれています。
医療関係の内容だけのリスクングとなっています。
パートAは患者さんとの会話、Bは医療関係のレクチャーを聞いて答えます。
もちろんリスニング力も必要ですが、すべての情報を満遍なく聞き取ることではなく、もっとも重要な情報を逃さずに書き取る能力が求められます。
リーディング
リーディングは60分、これも2つのパートに分かれています。
パートAは文章の穴埋め問題、 Bは2つのテキストを読み、選択式の問題に答えます
パートAに関してはスキミングが求められます。
15分で約30問の穴埋めをしなくてはなりません。
Bでは精読力が問われます。
どれだけ正確にテキストを理解し、問題に回答できるかが求められます。
ライティング
ライティングは45分、これは1つのレターを書きます。
リスニングとリーディングはどの専門職でも同じ問題ですが、ライティングとスピーキングに関してはそれぞれの専門職に沿った内容になります。
たとえば、理学療法士向けのライティングであれば、患者の情報や治療経過をドクターに伝えるためのレターを作成するタスクなどです。
普段は日本語でやりとりしている内容を、いつも英語でどのように表現するかやどのようにメールで書くのかということを意識しておく必要があるでしょう。
基本的なライティングだけでなく、ある程度の専門性のある内容を英語で表現することをしなければならないことが難しいといえます。
スピーキング
スピーキングは20分、2つのロールプレイ(患者とのやりとり)になっています。
スピーキングに関しても、職種ごとに問題が異なります。
スピーキングセクションについてはIELTSと同様、検査官と1対1の形になります。
入室すると、タスクカードを渡され、シュミレーションにあった形で会話をしていきます。
申込の方法
申込みはオンラインで行うことができます。
https://www.occupationalenglishtest.org/test-information/test-dates-locations/
上記から、テスト日程と場所を選択することができます。
試験会場はどこ?
様々な国でうけることができますが、残念ながら日本では大阪だけにしか試験会場がありません。
試験会場の少なさが認知度の低さをあらわしているといえますが、この点は改善して欲しいことです。
OET試験の頻度は?
OET試験が開催されるのは1ヶ月に1回です。
しかも会場は大阪だけですから、受験するにも大変ではあります。
OETテストの費用は?
1回のテスト費用はオーストラリアドルで$587です。
医療系に絞った試験であるとはいえ、すこし逃げ腰になってしまう金額ですよね。
また、申込みにはパスポートと顔写真が必要になります。
スコア、結果について
OETの試験結果は試験日から約3週間後にオンラインまたは郵便で受け取ることができます。
OETではスコアがA~Eまでに分かれており、Aが1番高いスコアでEが低くなります。大学・大学院進学のためには「B」以上が必要です。
対策をほとんどせず、TOEICで700点ぐらいあればすべて「C」ぐらいのスコアを獲得することが可能です。
そして、医療系の単語を覚えたり、英文レターの練習をしてオール「B」を目指していきましょう。
OETのテキスト
OETはIELTSと違い、教材や対策コースの開講が多くなく、 受験予定の方は対策にお困りかもしれません。
OETオフィシャルウェブサイト
1つ目はOET official websiteです。
これは先程の申込みをする時につかったサイトの中にある無料のテキストです。
専門職ごとにライティングやスピーキングがあるため、自分にあうものを選択できます。
オンラインテキスト
2つ目はオンライン上にあるテキストです。
これも専門職ごとに分かれていますので、自分の職種に応じたものを購入するとよいでしょう。
ライティングでは実際のモデルエッセイもあり、またスピーキングに関してもトランスクリプトがあるため非常に参考になります。
OETの先生からのアドバイス
3つ目は実際のOETの先生からアドバイスを頂いたウェブサイトです。
リスニングでは患者さんとのやり取りを書き取るスキルが必要になるため、ただ聴くのではなく、聴きながら情報を書き取る練習を上記のサイトを使って勉強できます。
まとめ
IELTSを選ぶかOETを選ぶかは人それぞれだと思いますが、医療系で海外の大学進学を考えている方にはOETも選択肢の1つとしてあることを今回知っていただき、今後の参考になれば幸いです。
OETの勉強は必ずその後の大学の授業の時に役に立つときが必ずきます。
医療用語や実際の手紙の書き方、患者さんとの会話の仕方や問診のとり方など、実践に近い内容がたくさんあります。
ただの試験勉強と思わず、少しの時間でも継続することができれば必ずスコアクリアができると思います。